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2023年4月、ジークスのコーポレートサイトがリニューアルされました。社内の多くのメンバーが関わり、約2年をかけて実現した今回のリニューアル。デザイン、フロントエンド実装を担当した2人に、制作担当の観点で公開までの軌跡を語ってもらいました。ユーザーとのタッチポイントやブランディングを考慮しながらコンセプトをどう表現したのか、制作の裏側に迫ります。
ジークスのWebサイトが、4年ぶりにリニューアル

- むらた
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リニューアルプロジェクトが立ち上がったのは2021年です。前回のリニューアルは半年間で制作したこともあり、コンテンツの補充が一部しかできなかったことと、年月が経ち情報が古くなったものもあったので、リニューアルに着手しました。弊社はWebサイトを経由してお客さまから問い合わせいただくことが多く、コンテンツを充実させたいという思いがありました。
今回は、企画・マーケティング、バックエンド・フロントエンド開発など、各部署からたくさんの社員がプロジェクトに参画して、通常業務の傍ら、地道にサイトをつくりあげていきました。私はおもにデザインを担い、若松はその後のコーディングを担当しました。
クライアント案件よりも自由な発想で取り組めるのが自社案件です。私はデザインチームに協力を仰ぎながら様々なことに挑戦して、よりよいクオリティにしたいと思っていました。
- 若松
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実装側として意識したのは、デザイナーが考えたことをどれだけ忠実に再現するか。解像度などを変えた時にどれだけ違和感なく表示できるかという点です。100%は無理ですが、デザインに表れない部分の仕掛けをどうつくるか考えながらコーディングすることを心がけました。
本音のぶつかりあいも!?
タッチポイントにとことんこだわったジークスらしさを感じるサイト
- むらた
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ジークスはITをなりわいにしている会社ですが、競合は五万といる。「IT」というありふれたテーマの中で、いかに当社に興味を持ってもらい、魅力やメッセージを伝え、「ジークスらしいIT」を表現するかが大きな課題でした。
デザインコンセプトを模索する中で、ヒントになったのはリニューアル前のトップページ用に作成した動画です。赤ちゃんや猫がITツールを使っている遊び心あふれる内容で、「ユーモア&ユニーク」のイメージをよく表している。そこにスポットを当てて独自の世界観をつくれば、ブランディングにも最適だと思いました。

- 若松
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私も「細部に遊び心を」というコンセプトを理解して、自分なりに拡大解釈して実装したかったので、その点はむらたに何回も確認して進めました。1976年生まれの同学年だから遠慮なく言い合える。昔は向かい合ったオフィスの席で、バチバチやって険悪な雰囲気になったこともありました(笑)。
- むらた
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別に仲が悪いわけじゃないんです(笑)。わがまま言うと嫌な顔されるけど、言ったらちゃんと実行してくれるのはわかってますから(笑)。
- 若松
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実装者の苦労も知らないで、言いたいこと言う(苦笑)。「ふざけるな!」と思いますけど、できるだけ実現してあげたいし、もっと良いものにして「これでどうだ!!」と言ってやりたくなりますね。そこが腕の見せどころですから。ジークスは個々がこだわりを持っている集団なので、良いものをつくるためには本音を言える信頼関係がとても大切だと思います。
今回一番苦労したのは、トップページのビジュアルでした。むらたの希望通りにアニメーションをふんだんに入れるとサイトが重くなって、ユーザビリティが低下してしまう。「これは勘弁してくれ」「これだけはやるから、他のところに力を入れよう」と、妥協点を見つけながら進めました。
- むらた
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コンセプトの「ユーモア&ユニーク」と、企業サイトとしてのバランスを取るのが難しかったですね。ユーザーのみなさんはいろんな目的を持って見に来るので、ブランディングだけではなく、見やすさや使い勝手も考えないといけない。CMSで構築しているので、その点も考慮する必要がありました。
- 若松
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CMSという制約がある中で、自由気ままに作ってしまうと構造が複雑になりすぎて登録に支障が出てしまう。運用・メンテナンスを考えてシンプルに、でもアニメーションも入れて…と探りながらつくっていきました。
操作性とデザイン性を兼ね備えた新サイト 今後は若手の経験の場に
- むらた
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新しいサイトは「ユーモア&ユニーク」の視点で、当社のデザイナーが様々なビジュアル作りに挑戦しています。例えば、サービスページのイラストはデザイナーがアイデアを出し合い、描き下ろしたものです。フォーカスページのメインビジュアルでは多様なテイストのデザインに取り組んでもらっています。見つけたときにクスッと笑ってもらえるような細部にこだわったデザインも至るところにあるので、発見してもらえたら嬉しいです。
- 若松
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私は、随所に散りばめたアニメーションの仕掛けと、それらが気持ちよく動くところを見てほしいですね。アニメーションはフェードイン・アウトのタイミングが0.1秒違っても体感が変わるので、利用者の操作性を低下させないために、全てのバランスを考えてつくりました。トップページの空中ブランコのアニメーションも、複数のパターンをつくってむらたに確認して、何回もダメ出しされながらできあがったものです。


- むらた
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今後は、運用の中で見えはじめた課題を解決していきたいと思います。ギミックまわりの作り込みをブラッシュアップしたり、もっとクリエイティブにしていきたい。
- 若松
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まだ仮状態のページもあるので、私はそれらの本実装を進めます。ページの表示速度や、SEOを考えたタグコードの調整を含めて、全体のバランスを取っていきたいですね。
- むらた
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個人的な思いとしては、自社サイトを経験の場にして、そこで得られるものをクライアントワークにつなげたい。次回のリニューアルでは後輩たちにデザインをしてもらえればと思っています。
- 若松
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コーディングも今回私がやりましたが、後輩ができるようにしていきたいです。せっかくチャレンジできる機会だし、若手に志を継いでもらいたいですよね。