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ジークスのワンストップチームの大黒柱 制作と開発の「橋渡し役」ディレクターの仕事に迫る!

制作チームと開発チームが一体的にプロジェクトを進めるジークスには、両チームの「橋渡し役」となる、開発の知見を持ったディレクターが存在します。今回は、プロジェクトを円滑に進める「橋渡し役」としてメンバーの信頼を集め、長年開発やディレクションに携わってきた宮塚が、この仕事の魅力やポイント、橋渡し役としてのこれからについて語ります。

バックエンドもフロントエンドも経験 「橋渡し」役ディレクターが生まれた理由とは?

こんにちは。ジークス北陸支社の宮塚です。エンジニアを経て、今は制作チームでディレクション業務を担当しています。今回は、開発経験を持った「橋渡し役」のディレクターとして私が担っている役割や、なぜジークスで「橋渡し役」が重要なのか、その理由をお話したいと思います。

ジークス入社後、私は開発チームでエンジニアとしてキャリアをスタートしました。その時は、当時のガラケーアプリやWebアプリのバックエンド開発を行っていました。30代になって新しい環境でチャレンジしてみたいと考え、会社からの勧めもあって制作チームに異動。マークアップ言語を習得して、コーダ―としてフロントエンドの実装を担当するようになりました。2020年、社内で「ブリッジディレクター」と呼ばれる橋渡し役となるディレクターのポジションが設置され、栄えある「第1号」として私がその役回りを担うことになりました。

バックエンドもフロントエンドも経験 「橋渡し」役ディレクターが生まれた理由とは?

一般的に「ディレクター」といえば、お客さまとコミュニケーションを取り、制作チームを引っ張っていく…というイメージがありますよね。じつは、私をはじめとした「橋渡し役」ディレクターの力が発揮されるのは、ちょっと外からは見えにくい部分。それは、開発チームと制作チームとの間に立って、「理想のデザイン」を実際に動く形にするという、ジークスの高い品質を担保する役回りです。

ジークスではシステム開発を伴った案件が多く、UI設計・デザインをする際に、開発のフィジビリティ(実現性)を考慮することがとても重要です。以前は、私を含めたコーダーがフィジビリティを考えて、細かい課題を洗い出していました。

実装の片手間にそうした業務をこなさなければならないコーダ―の負荷を減らすこと、バックエンド・フロントエンドを理解した人物が制作と開発の壁を取り払い、連携を強化することを目的に、この「橋渡し役」ディレクターのポジションが設置されました。

これにより、制作と開発がワンチームで連携し、一気通貫でプロジェクトを進めやすくなりました。制作側だけでは気づけない、開発に落とし込んだときの課題を事前にキャッチして、設計段階で解決の道筋をつけやすくなったと言えます。

フィジビリティを考慮した理想のデザインを叶える! 「橋渡し役」ディレクターの魅力

実際のプロジェクトにおいては、案件全体を管理するPM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)が置かれ、制作部分はメイン担当のディレクターが管理しています。

私たち「橋渡し」役ディレクターの役割は、おもにフロントエンドの実装側の管理。見積りチェックをはじめ、UI設計・デザインのフィジビリティ確認、コーダ―への実装依頼と進行管理、コードレビューやビューチェックなど成果物の品質管理を行います。また、実装の内容がバックエンド側の機能に関係する場合は、開発側ともコミュニケーションを取ってコーダーに連携しています。

業務で意識していることの一つは、レスポンスの早さです。Slackなどで投げかけられた質問には、なるべく待たせず回答しています。もう一つは、課題を明確化して優先順位をつけ、メンバーと共有しておくこと。認識齟齬がないように、Slackのほか、毎日の夕会、オンライン会議ツールなどで細かにコミュニケーションを取っています。

「橋渡し役」ディレクターとして悩ましいのは、「UIでこれを実現したいが、実際に開発するのは難しい」という場合ですね。よくあるのは、デザインをブラウザ上に描画するときのパフォーマンスの問題。データサイズが大きく、サーバサイドからのレスポンスの時間が長くなると、描画が遅くなってしまいます。その場合は全てを一度に描画するのではなく、最初に一部を表示させ、残りを徐々に読み込むといった解決策を探ることになります。

一方で、このポジションだからこそ味わえる楽しさもあります。フィジビリティを考慮しながらエンジニア視点でUX改善を提案して、デザイナーの意図したUIを実現できたときは嬉しいですね。以前、「アプリ内の本棚を、ジュークボックスのように回転させる」という凝ったアニメーションをつくったときは、回転速度やレスポンスについて、デザイナーと細かく打合せをしました。改善を重ねた結果、ユーザーが本棚を回したくなるような、理想的な動きの実装にたどりついたんです。「橋渡し役」として、プロジェクトの質を高められたという達成感を得られました。

ことまなSアプリ画面
株式会社三省堂様 ことまなS

制作からも開発からも、気軽に相談できる存在として、プロジェクトの質を上げる

このポジションになって思うのは、上流工程からバックエンドまで、さまざまな職種のメンバーとの関わりが増えたこと。進行管理の手法やものの伝え方など、メンバーそれぞれの良いやり方を学べるのは楽しいですね。

私は常々、制作と開発との「橋渡し」役として、メンバーにとって気軽に相談できるディレクターでありたいと思っています。「コーダーが作業に集中していると聞きづらいし、レスも遅くなる。宮塚さんに聞けるから助かっている」など、メンバーからもらえる嬉しい声は、私の大きなモチベーションになっています。それに、そもそもジークスには、お互いのわからないことを把握して補う文化があります。ディレクター・デザイナーもバックエンドについてある程度配慮してくれるので、その点は助かっています。

多くのメンバーと関われて、他の業務にはない楽しさがある「橋渡し役」ディレクターに必要なのは、バックエンドとフロントエンド、双方の経験。そして、相談に答えて解決へ導くことにやりがいを感じられる人が向いていると思います。

今はまだ難しいですが、一つひとつのプロジェクトに対して、ディレクター、デザイナー、そして「橋渡し役」のディレクターでチームになることが理想です。ジークスの体制を強化していく中で、このポジションを担当できる人が増えてほしい...!と思っています。

制作からも開発からも、気軽に相談できる存在として、プロジェクトの質を上げる