TOA株式会社様

ユーザー視点のデザインで音声合成サービスの新市場開拓に貢献

音声合成サービス「YUTTE」β版開発

TOA株式会社は、業務用・プロ用の音響機器、防犯・監視カメラなどセキュリティ機器の専門メーカー。
ジークスは、TOA様の新規事業となる「音声合成エンジンを用いたアナウンス放送生成ができるクラウドサービス」の立ち上げプロジェクトに参画。市場ポジショニング・競合分析など、サービスデザイン支援からUX/UIデザイン・フロントエンド開発までを担当した。

課題

だれでも簡単に使えるデザインを目指して

TOA様の内部ではプロジェクト開始当初、「だれでも簡単に操作できる、使ってみたい」と思われるサービスのデザインを実現させることへの強い想いはあったが、具体的なデザインの方向性が定まっていなかった。

そこでジークスは、TOA様が実施した市場調査・ユーザーヒアリングの結果を元にターゲット市場を深掘り。TOA様ならではの強みの言語化と、目指すべきデザインの方向性を提案した。

アプローチ

サービスデザイン

まずは、TOA様の音響機器の導入ユーザーへヒアリングを行った結果から、新規サービスの市場ポジショニングを検討。セグメンテーションの結果、放送アナウンスを頻繁に使う百貨店やショッピングモールではなく、十分な放送の活用ができていない観光地や公園・公共施設・工場などのユーザーが、「使いやすい」と感じるデザインを目指すことにした。

さらに、競合の音声合成サービスを比較して、サービス内容・ビジネスモデル・特徴を整理。BGMと放送用音源を合成しブラウザで簡単に生成するサービスは少なく、競合優位性が持てることも改めて認識した。

UXデザイン

UXデザインの手法のひとつであるカスタマージャーニーマップを用いて、ターゲットユーザーごとのシナリオを作成。UXの観点から、ユーザーの利用シーンのどこにサービス価値があるかを検討した。

Reactによるシームレスなフロントエンド開発

音声合成操作の敷居を下げ、誰でも簡単に使えるGUIをコンセプトに、親しみやすさとユーザビリティを意識したUIデザインに。シンプルなUIと、複雑な音声合成エンジンの内部ロジックをシームレスに繋げる、Reactによるフロントエンド開発でWebサービスを実装した。

結果

「だれでも、簡単に、伝わるアナウンス放送を生成できる音声合成サービス」で新市場を開拓

β版として公開した「YUTTE」サービス開発では、目指すべきデザインの明確化を実現するため、市場ポジショニング・競合分析などのサービスデザインからジークスが共創。その結果、「だれでも、簡単に、伝わるアナウンス放送を生成できる音声合成サービス」を実現した。実際にサービスを利用したユーザー様から「文章だけ用意すればサッと流せるので、音声コンテンツの作成がラクになった」「1日十数回マイクで行っていた放送業務が効率化された」という好評を得られた。

今後は、β版の無料提供で顧客ニーズを把握し、正式版リリースに向けたサービス収益化やマーケティング施策の検討を進める。ジークスは引き続き、TOA様の新たなビジネスモデルの確立に貢献する。

開発期間
  • 9ヶ月
デバイス
  • PC、スマートフォン、タブレット
採用技術
  • React
クレジット
Project Manager
Haruhiko Tatsumi
Project Leader
Ryo Endo
Engineer
Yoichi Sakai
Director
Yuka Nagata, Moe Wada, Yuki Ushironaka
Designer
Nodoka Kuroishi, Mizuki Nakamichi
Illustrator
Makoto Sugano

クライアントボイス

グローバル開発本部 コネクテッドビジネス部 サービスビジネス課 第2グループ犬飼 一之 様
TOA株式会社 グローバル開発本部 コネクテッドビジネス部 サービスビジネス課 第2グループ 犬飼 一之 様

本プロジェクトに関しては、UI/UXに関しては妥協をしたくない、という強い想いがありました。
その想いを含め、弊社内で開発委託先の相談をしたところ、弊社の海外向けサイトの開発を担当したジークス様を紹介していただいたのが、ご依頼のきっかけでした。
実際にデザインのご提案の際には、我々だけでは思いつかないような素晴らしい案を出していただき、またそのデザインのおかげでサービスリリース後も社内外含め好評という結果につながりました。
本サービスはこれで終わりではなく、これからも進化を続けていく必要があるため、今後ともジークス様にご相談させていただきたいと思います。ありがとうございました。

スタッフボイス

プロジェクトリーダー遠藤 亮(エンドウ リョウ)
プロジェクトリーダー 遠藤 亮(エンドウ リョウ)

本プロジェクトは、フロント開発とAPI開発で他社と協業する体制となり、TOA様を含めた3社の目線がずれないことを強く意識しました。TOA様で策定済みのUXコンセプトのほか、プロジェクトの目的の言語化、ターゲット策定、ユーザーシナリオ作成など、本サービスの達成目標を見える化することで、大きな認識の齟齬もなく進行できたと感じています。
TOA様のリーダーシップあってこそ、とても進めやすく楽しめたプロジェクトでした!

システムエンジニア酒井 洋一(サカイ ヨウイチ)
システムエンジニア 酒井 洋一(サカイ ヨウイチ)

私はソースコードレビューやサーバデプロイなど、開発面の技術的なサポートに入りました。今回はReactを利用した案件で、高度なスキルを持ったメンバーがいたからこそ活用できたと思っています。今回リリースのβ版がどのように利用いただけるか楽しみです。

ディレクター永田 裕佳(ナガタ ユウカ)
ディレクター 永田 裕佳(ナガタ ユウカ)

「放送アナウンスの音声合成」という少し敷居の高いサービスを、ユーザーフレンドリー化する本プロジェクトに興味深く取り組むことができました。「YUTTE」はUIのシンプルさとは裏腹に、内部は複雑なロジックで構成されています。TOA様とジークス、バックエンド開発ベンダー様の3社で仕様を綿密に確認し、Reactエンジニアの尽力で無事構築することができました。特にTOA様には、検証期間に細部までご確認いただき、良質なサービスになったと感じています。今後のビジネス展開で、広くユーザー様に使っていただくことを期待しています。