こんにちは、デザイナーの菅野です!今回は9/30・10/1に開催された国内最大規模のデザインカンファレンス「DesignShip 2023」の参加レポートです。実は今回、ZYYXもスポンサー協賛企業として参加しています!そんなデザインの祭典について、特に興味深かった話を中心にレポートしていきます。
待ちに待ったDesignShipという祭典
渋谷ヒカリエホールで開催されたDesignShip 2023。当日の受付前には、期待に満ちた笑顔の参加者が溢れていました。さすがは年に一度の祭典!会場に入る前から期待の高さを感じます。
いただいたオリジナルノベルティを手に会場内を見渡すと、たくさんの協賛企業の展示ブースが祭りの屋台のように軒を連ね、個性豊かな展示で来場者を迎え入れてくれました。こうしたイベントでしか得られない貴重な瞬間の一つが、企業とイベント参加者のコミュニケーションです。社内でデザイン業務をしているとなかなかできない交流が、ここでは自然な流れで広がり、デザインの推進力となっていることを実感しました。
会場に足を踏み入れてから鰻登りに上がる私のボルテージ。イベントのメインであるトークセッション会場に入る前に、しっかりとZYYXの協賛パネルを確認して写真をパシャリ!
デザイン最前線のプレーヤーは何を語る?
今年は『広がりすぎたデザインを接続する』というテーマで、さまざまなバックボーンの方のお話を聞くことができました。中でも特に印象に残った2名のデザイナーのセッションをご紹介させていただきます!
一人目は、言わずと知れた日本を代表するデザイナー、佐藤卓さんです。今回のイベントで絶対に佐藤さんの話は聞きたい!と思っていました。そして実際のセッション内容は大変興味深く、期待以上でした。佐藤さんの現場ではどのようなプロセスでデザインが生まれるのかを、実例を交えながらお話してくださいました。
誰しも一度は目にしたことのある「キシリトールガム」のパッケージデザイン。光沢のある緑で、歯を真上から見たようなアイコンが印象的ですが、デザインは26年間ほとんど変わらず発売されています。なんと私よりも先輩のキシリトールガム。私が物心ついた頃には、光沢感がありスタイリッシュなガムのデザインは当たり前なものでしたが、発売当初は画期的だったそうです。というのも、キシリトールガムは従来のガムとは違い「歯に良いガム」という大きな特徴があります。そこで、お菓子のパッケージイメージから、デンタルケアの意味合いが強い歯磨き粉などを想起させるデザインにした、という経緯があったそうです。
このエピソードの他に、商品や事象のあらゆることをじっくりと観察し、デザインで適切に繋ぐことがデザイナーの役割である、と話されていました。デザインは、政治や環境、経済などの1分野ではなく、あらゆる分野を横断する存在であることを学びました。
2人目は、元医師で現在はUI/UXデザイナーとして活躍する小林 啓さんです。異色の経歴を聞いた時点で「面白そう!」と思いましたが、案の定大変興味深い内容でした。
今の社会は知識を持つ医療者と、知識を持たない患者という関係から、医師が患者に情報を提供する一方通行な構図が染み付いています。テクノロジーの発展に伴い、病院外で得られる情報は患者にもあります。しかし、それを医師に伝えられず、医師もそれを必要としない、という立場の非対称に対しての施策を語られました。
非対称な関係のメンタルモデルにより短時間で診察可能な現状や、その構図に患者側も問題なく診療を受けられている点から、対称な関係に持っていくことが難しいとのこと。こういったメンタルモデルの問題は、医療以外のさまざまな現場でも立ちはだかる壁ではないでしょうか。それをデザインの力でどの様に繋ぎ、振り向いてもらうのか?を考えることは難しい問題ですが、丁寧に事象を観察・整理して、デザインの力で解決するべきだと感じました。
DesignShip参加のまとめ
デザインが様々な領域に入り込んで、繋ぐ力があると感じてはいましたが、最前線で挑む方の話を聞くことで、より実感を持つことができました。そして、これからもデザインの必要性は増すと確信しました。
私自身、今回のイベントに参加したことで、今まで目を向けなかった分野にも関心を持ちたいと思いましたし、自分に何ができるか考え直すきっかけになりました。そしてまた来年も参加したい!と、次の開催を今から楽しみにしています。