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新人研修は手探りの連続! 研修メンター奮闘記

ジークスは今年、新卒社員向けの技術研修を5年ぶりに社内で実施しました。社内の技術研修はジークスのエンジニアがメンターとして、事前のカリキュラム作成から3か月間の新人サポートまでを担当します。今回は、研修全体を管理する統括メンバーとして汗をかいた社員にクローズアップ。手探り状態で新入社員研修を進めた過程、抱えていた不安や、どう壁を乗り越えたかなど、舞台裏を語ってもらいました。

開発実務とのギャップをなくす 社内での新人研修を計画

こんにちは。ジークスのシステムエンジニア・衣川です。今回は、ジークスが5年ぶりに社内で実施した新人研修(技術研修)について、実はこんなことがあった...!という裏側をお話ししようと思います。これから社内で新人研修を担当する方(特に若手)の参考になれば幸いです。

僕が新人として入社したときもそうでしたが、ジークスでは近年、新卒社員向けの技術研修を社外で実施してきました。ビジネスマナー研修の後、3か月間かけてJavaを学ぶスタイルです。しかし今年は、社内で新人研修を実施することになりました。研修後に現場に入ったときのギャップをなくす意図で、実務に近いスキル習得カリキュラムを提供する計画です。また、外部研修よりも早い段階で先輩社員とコミュニケーションを取り、関係性を築くこともねらいでした。

実は、昨年中途で入社したメンバーにも社内研修を行ったんですが、研修体制を十分に整えられず、基礎を固めきれなかった点が課題でした。今回の研修では、新卒社員が基礎をきちんと学べる研修体制やカリキュラムを築きたい、という思いもありました。

ここからは、新人研修メンターの不安や焦りの吐露がしばらく続きます...どうかお付き合いください。

新人研修カリキュラムも若手メンバーで議論 手探り状態の不安な門出

「社内で研修を行う」という方針は決まっていたものの、もともと研修の実務を担っていたメンバーが退職したこともあり、なかなか動き出すことができませんでした。僕も急に研修担当に指名されてかなり慌てました。新人が来るのはまだ先...と思っていたらあっという間に時間が過ぎ、研修メンター全員が慌てることに。新卒社員の入社直前になんとか研修体制を構築できましたが、全員が主体的にプロジェクトを進めることにまだ慣れていなかったと思います。

新人研修の運営メンバーは、東京本社と大阪支社それぞれに、研修全体を管理する「統括メンバー」(リーダー・サブリーダー)を2名ずつ。僕もこのポジションでした。加えて、各新入社員を1対1でサポートする「メインメンター」、そして研修の講師を務める「研修メンター」が各拠点5-6名で組織されました。いずれも、入社5年以内の若手メンバーです。

新人研修で特に重要なカリキュラムは、研修に関わるメンバー全員で考えました。新卒社員にはまず、例年通り社外でビジネスマナー研修を受けてもらい、その後ジークスに戻って技術研修を受けてもらいます。Javaを中心としたバックエンドのほか、社外研修ではあまり深く学べないようなフロントエンドやデータベースについても学ぶ流れ。技術研修の期間は3ヶ月です。

指導する僕たちは全員、社内研修自体が初めての経験。前例がないので、そもそも何をどう進めたらいいか把握できず、すべてが手探りでした。もちろん先輩もバックにいましたが、基本的には若手に任されていました。

最初は役割分担が不明確で、とくに研修メンターは人数が多かったこともあり、当事者意識が薄れて「何もすることがない人」が出てくる状態に。頻繁にミーティングを重ねながら、なんとか解決していきました。また、研修メンターは自分の業務と並行して新卒社員に教えなければなりません。業務に支障はなかったものの、当初は慣れないことに取り組む不安の声も聞かれ、実はなかなか厳しいスタートだったんです。

新人研修カリキュラムも若手メンバーで議論 手探り状態の不安な門出

「ちゃんと理解してる?」「怖がられてない?」 試行錯誤の新人研修

社内で研修を行う大きなメリットの一つは、新卒社員一人ひとりの理解度に応じて、カリキュラムやスケジュールを柔軟に変えられることです。ただ、講師を務める若手の研修メンターは「教えるプロ」ではなく、理解度をどう測ったらいいのか?という壁に当たりました。

研修開始のときに前提知識を確認するアンケートを取ったものの、新卒社員がどの程度の知識を持っているかも把握しきれていませんでした。新人はこちらに気を遣って「大丈夫です!」と答えますし、反応を見ながら講義をしているつもりでも、本当に理解しているのか、つかめていませんでした。そこで、研修メンターの発案で、新卒社員に練習問題に取り組んでもらい、その解答ぶりを見て研修を進めることにしました。

新卒社員とのコミュニケーションも試行錯誤の繰り返しでした。研修メンターからは、「新人に怖がられてないかな…?」という不安の声もありましたね。理解度チェックのときも、あまりプレッシャーにならないようにやわらかく声をかけたりしていたようです。同僚の意外な一面を発見できたエピソードもあります。新卒当時から先輩に言い返すような、尖った存在だった2年目の研修メンター。新卒社員のコードレビューにつけた彼のコメントがすごく優しい言いまわしで、そのギャップにみんな驚いていました(笑)

マンツーマンで日常的に彼らに接するメインメンターは、日報に対して「よくできました」など丁寧にコメントしていたようです。また、新人歓迎会は例年、お店を予約して開いていましたが、今回はあえてオフィスで開催しました。慣れた場所で和やかな雰囲気の中、コミュニケーションが取りやすかったですね。

こんな感じで試行錯誤しながらも、運営側も新人と一緒に少しずつ成長していきました。

じっくり新卒社員と向き合って、新人研修メンバー自身も成長

新卒社員には社外研修で他社の人たちと交流したい気持ちもあったようですが、総じてこの研修に良い印象を持ってくれました。文系の未経験エンジニアからは、「難しいけど、新しいことをやるのは楽しい!」という発言もあったそうです。研修を終えた彼らは、それぞれの現場で頑張ってくれています。

研修メンターからも、「ただアウトプットするだけではなく、教えられる側の立場を考えながら講義をしたことで、自分の意見を上手に表現する方法がわかった」など、自身の成長につながったという声が聞かれました。

また僕自身、今回統括という立場で研修に関わって、メンターのみなさんに仕事を任せるという経験をしました。「ここまでは自分がやって、これは誰かに任せて大丈夫」と判断するものさしができましたし、「これだけ整理しておけば、人に渡せる」という部分も少しわかった気がします。

仕事の現場でエンジニアとして働くことと、誰かに何かを教えるスキルは違いますから、若手社員にとっては貴重な経験だったのではないでしょうか。

ジークスとしても、社内研修の実績ができたのは収穫。昨年までは、社外研修の結果や感想を新卒社員から聞いてアドバイスすることしかできませんでしたが、今回はメンターが横についてしっかりサポートできたのがよかったです。この経験は、来年以降の新人研修メンターにつなげて、次の担当チームにバトンタッチしていきたいと思います。

じっくり新卒社員と向き合って、新人研修メンバー自身も成長