INTERVIEW

技術とサービスの両面から、開発の課題を解決できる会社へ【CEOインタビュー 後編】

【前編】忘れたくないのは、少し先行くテクノロジーへの好奇心

前編では、渡辺CEOのこれまでのテクノロジーとの向き合い方、そしてITや事業について日々考えていることを語ってもらいました。
後編では、現在取り組む新しい実験や事業の今後について、更に深掘りしていきます。

位置情報測位の知見を活かした次なる技術実験

編集部
前編でも話題に出た、現在取り組んでいるmmWaveの事業について教えてください。
渡辺

今はABFinderの付加価値を高めるものとして、mmWave(ミリ波)を使った機能拡張に取り組んでいる。ミリ波はABFinderで採用するBluetoothよりも正確に、特に人など動くものの位置を細かい単位で検知できるんですよ。特定範囲内の動きが少ない物体に対して、AIを使って人と区別するロジックを作っている。サービス化に向けたプロトタイプができあがったところ。

※mmWave:電磁波の一種。人の位置情報を取得し、行動データの定量化に利用。
※ABFinder:ジークスが提供する、Beaconを使った屋内位置情報測位システム。フリーアドレス・工場・倉庫・病院など、様々な場所に設置可能。

編集部
どういった点にニーズを感じたのでしょうか?
渡辺
暗い所や、プライバシーの問題でカメラを設置できない場所に使えないか?と思ったのが始まり。プロトタイプで実地テストを重ねながら、何人かのお客様のニーズを聞いて、サービス形態を模索する段階。機能に合わせたニーズがあると思ってテストを進めている。
CEO mmWaveについて語る

ITビジネスを支えるプラットフォーム GitLabのパートナー企業として

編集部
技術実験的な取り組み以外で、会社として新たなチャレンジはありますか?
渡辺
GitLabとのパートナービジネスがある。最近はDXや内製化を進める企業が増えていると思う。そうなった場合、ソフトウェア開発のコントロールを顧客側がやることになる。そこで便利なのが、開発のためのオールインワンプラットフォーム GitLab。ジークスは10年以上使っているから、導入支援のノウハウがある。
編集部
このビジネスによって、どのような価値が生まれると思いますか?
渡辺

まず導入企業に対しては、GitLab社の強みであるセキュリティ。日本の開発会社が苦手とするセキュリティ問題を、開発側からサポートしたいと考えた。GitLab単体でも開発上のメリットはあると思うけど、ジークスが持つ開発以外の知見を活かした支援もできる。デザインの知見がない企業に対しては、その部分も含めたサポートができるということ。

ジークスとしては、GitLabを起点としてご相談を受けやすくなる。チャネルが増える点は営業面で重要だし、GitLabとジークスを繋げてイメージしてもらえたら、「開発の課題を解決できる会社」としてブランディング面で大きな価値があるよね。

その他に、GitLabでエンジニアのパフォーマンス測定をやろうとしている。これは昔からずっと気になっていたこと。

CEO GitLabについて語る
編集部
GitLabを使ったパフォーマンス測定とはどのようなものですか?
渡辺

GitLabはソフトウェア開発のプラットフォームとして、非エンジニアも関わって進化していく。プロジェクトのタスク管理や進捗状況、要件定義時の設計など、複数のレイヤーの担当者が使うサービスに変化していると思う。

パフォーマンス測定について簡単に説明すると、GitLabを使って進捗管理をすることで、タスクごとにエンジニアの稼働時間を裏側で計測できる。その結果、タスク状況の情報が可視化され、担当メンバーのパフォーマンスがわかるようになる。エンジニアの付加価値は「顧客がいくら投資したいと思うか」だから、究極的な可視化は難しいかもしれない。でも、時間がかかっているタスクを素早く見つけることができれば、その原因を調べて効率化することはできるよね。

ミリ波の実験のように自分たちの手で作るものとは違うんだけど、新しい仕組みを提供するサービスだから、きっと面白いんじゃないかな。

IT業界でジークスが目指す場所

編集部
ジークスが目指すポジションについてお聞かせください。今後どんな人にジークスに集まってほしいですか?
渡辺
本心を言えば、技術に興味がある人に仲間になってほしい。興味がなくても、「ITを使って何かをしたい」という人がいいね。特色を持った、他社とは違ったポジションでいたい。目立ちたいわけじゃないけど、特定の領域で輝く存在でありたい。ジークスは技術でもビジネスでも、少し違ったこと=少し先を行っている、そんな集団にしたいね。
CEO

後編では渡辺CEOが考える今後の事業、そして会社について詳しく語っていただきました。これからも様々なニーズが生まれ、それにともなった新技術やサービスが続々登場すると思います。技術にこだわり常に少し先を行く、この姿勢はずっと変わらず、指針としてプロジェクトに取り組みたいと感じた後編インタビューでした。